~オーダーメイドで履き心地のいい革靴をつくろう~

革靴のオーダーメイドができるおすすめショップ
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普段、仕事などで革靴を履いている方のなかには、「自分の足に合う靴がなかなか見つからない」という方も少なからずいるのではないでしょうか。私(東京在住・40代・営業職)もそんな革靴ジプシーのひとり。既製品だと十分なフィット感は得られず、どんどん選択肢が狭まっていくためデザインが物足りない…そんな不満を日々感じていました。
そんなある日、革靴のセミオーダーというサービスの存在を知り、思ったほど高額でもなく、満足感のある靴ができるとのことなので、興味が湧いて作ってみることに。都内のショップを複数調べた結果、「スピカ」というお店を見つけ、訪問することにしました。アクセス至便で雰囲気もよく、リペアショップであることからアフターフォローも期待できそうだと感じたからです。
休日の14時ごろにお店を訪問。麻布十番駅から徒歩7分。閑静な路地裏に佇む、隠れ家のようなショップです。
もともと革靴・バックのリペアを専門としてきたショップだそうで、店内は工房のような雰囲気。築40年以上の古民家を改装したという落ち着いた雰囲気に、革の香りが漂います。
ショップに入って右側にカウンターがあり、その奥が修理工房です。大小さまざまなミシンや革靴を加工するための機械ほか、靴幅を伸ばすストレッチャーなどが置いてあり、エプロンをつけた職人さんが3名ほど作業をしていました。
一方、左側がセミオーダーシューズを創るための採寸やフィッティングなどができるスペース。シルエットなどをチェックするための大きな鏡があるほか、セミオーダーシューズのモデルバリエーションなど、20足前後の靴も展示されていました。
カウンターでセミオーダーシューズをつくりにきた旨を告げると、担当の手嶋さんが、フィッティングスペースに案内してくれました。
まずはヒアリング。重厚な一人掛けの椅子に腰かけながら、普段履いているシューズのブランド・サイズやフィッティングの塩梅、足の特徴・悩みなど、9項目にわたりヒアリングされます。
実際に足を触ってもらったところ、かなり甲高であるとのこと。ちなみに、オーダーシューズをつくられる利用者には、私のように「幅広・甲高」だけでなく、逆に足幅が狭かったり、甲が低いという方も結構いらっしゃるんだそう。靴擦れやサイズがないといった理由のほか、外反母趾に悩んでいる方も作りにこられるそうです。
足長や足囲については、片足ずつ測定器を使って測定します。ヒアリングの時間は15分ほど。広いフィッティングスペースで、マンツーマンで進むので、終始リラックスできました。
ヒアリング・採寸が終わった後、いよいよセミオーダーシューズのサイズを決めるためのフィッティングです。
フィッティングは、ヒアリング内容や採寸をもとに、フィッティングシューズを履いて合わせていきます。私の場合は、足長25.5cm、足幅は3E。足長に対して、若干幅広といったところでしょうか。
既製靴ではジャストフィットを見つけにくい自分のサイズにも、しっかり合わせられるところがセミオーダーシューズのメリットだと感じます。
ちなみにスピカでは、足長23~30cm、足幅(ウィズ)7種に対応したフィッティングシューズを揃えているとのことで、バリエーションがある分、繊細なフィッティングが期待できます。
なお、スピカでは遠方客のため通販の依頼にも対応しています。その場合、自分の足サイズにバリエーションをつけた4足分のフィッティングシューズを自宅に郵送してもらい、付属の調整用インソールを使った計8種類のサイズを自分でフィッティングし、ジャストサイズを決めることになります。
確かにフィッティングシューズを履くことで、一人でも最終的な仕上がりの感触を確かめることができるので、「通販ではサイズ感が不安」という方も安心だと思います。
サイズが決まったら、デザイン・モデルの選択です。今回は、冠婚葬祭などフォーマルシーンや、ビジネスに使える黒の革靴を創りたいと思っています。
相談したところ、つま先に一文字のステッチが入っているストレートチップのオックスフォード(内羽根式)をおすすめしてもらいました。オックスフォード(内羽根式)とは、靴紐を通す鳩目の部分が、甲より内側の部分に潜り込んでいる形式をいいます。
ストレートチップのオックスフォードは、ビジネス用としてだけでなく、礼装用としても不可欠な、特別な靴であるようです。私はそのなかでも、ビジネス向けに縫い目に飾り穴をつけ、華やかさも演出できるようにしたモデルを選びました。
デザイン・モデルが決まったら、次はソールの選択です。通気性に優れ、高級感のあるレザーソールか、雨でも滑りにくく、耐久性が高いラバーソールか。悩みどころでしたが、私の場合ビジネス用途を考えて、ラバーソールを選択。
改めて靴のデザイン・モデル選びひとつとっても、ルールや用途があって奥深さを感じます。そして、それを選ぶのも、また楽しみのひとつだと思いました。
オーダーしてから約2か月後、待ちに待った、初めてのセミオーダーシューズが完成しました。
フィッティングシューズですでに履き心地は確認していましたが、出来上がった靴を履いてみると、その感動はひとしお。幅広・甲高の私でも、スッと足を通すことができ、ストレスがない感覚のすばらしさは、実際に履いてみないと分からないかもしれません。
本革の靴は、少なくとも3年以上、大事に履けばもっと永く履くことが可能です。磨けば味わいになりますし、足のサイズは大きく変わることがないので、長い目でみると、いい買い物をしたと思っています。
<完成品>
モデル:キャップブローグ オックスフォード
レザー:スムースレザー/ブラック
ソール:ラバーソール
ちなみにスタッフから聞いたのですが、スピカではセミオーダーシューズを実際に履いてみて、履き心地に満足できなかった場合は、納得いくまで、無料で調整を行っているとのこと。
具体的には、つま先やくるぶしの部分があたるなど、フィッティングに違和感があった場合は、革靴をストレッチにかけたり、インソールに厚みを加える調整などをしてもらえます。
ひと言でいうと簡単ですが、実はインソールの調整ひとつとっても、繊細な足にフィットするように行うのは、その道に熟練した職人がいないと難しいのだそう。だからこそ、安心できるアフターフォローは、リペアを専門としてきたスピカならではの付加価値のあるサービスだといえます。
隠れ家的なたたずまいがおしゃれなスピカ。初めてセミオーダーの靴を作るとなると緊張しがちですが、雰囲気が落ち着いているのでリラックスできました。セミオーダーといえどもサイズやカラー、デザインのバリエーションが豊富なのでまるでフルオーダーのようなぴったりフィットの靴に仕上がりましたよ。
店名 | Spica(スピカ) |
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公式サイトURL | https://www.spica-inc.jp/service/semi-order/ |
住所 | 東京都港区元麻布3-10-8 |
アクセス | 東京メトロ・都営線「麻布十番駅」から徒歩7分 |
営業時間 | 10:00〜19:00 ※定休日なし(年末年始、夏季休暇を除く) |
セミオーダーはフルオーダーより自由度が低いから既製品とそんなに変わらないのでは?と思っていましたが、ヒアリングとフィッティングをしっかり行えばセミオーダーでも自分の足にしっくり来る靴を作れることがわかりました。
フルオーダーより値段も抑えられるので「世界にひとつだけの靴を作りたい!」なんてこだわりがなければセミオーダーでも十分満足できる靴を期待できますよ。
靴のオーダーメイドで重視するポイントは人それぞれ。自分が重視する点とショップの得意分野を照らし合わせて店を選べば、より満足度の高い靴を作れます。
こちらでは目的別におすすめショップを厳選してみたので、重視するポイントからチェックしてみてくださいね。